なぜ建物に鎖を垂らすのか?
先日、夜の散歩中に、たまたまこの建物の前を通りかかりました。コンクリートの外壁には、たくさんの金属の鎖が整然と垂れ下がっていて、風に揺れてはカチャカチャと小さな音を立てていました。
光を受けたその鎖は、冷たく静かな光沢を放っていて、とても印象的でした。あとで調べてみると、これは「鎖樋(くさりとい)」という雨どいの一種で、雨水を地面へ導くための構造だそうです。通常のパイプではなく鎖を用いることで、機能性に加えて視覚的な印象も与えており、単なる実用性を超えた、デザインとしての意味も感じられました。
建築の知識はありませんが、この鎖の列がどこか「まつげ」や「眉毛」のようにも見えてきて、まるで都市の中でひっそりと呼吸しているかのような存在感を感じました。重力に従いながらも、風に揺れて少しだけ自由を保つその姿が、どこか美しく、静かで、生命のようにも思えたのです。大したことではないのですが、普段なら見過ごしてしまうようなものに、ほんの少し目を向けることで、思いがけず“静かな美しさ”に出会えることもあるんだなと、そう思いました。
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